新庄藩に生まれた養安は、ある失敗から、9才でたった一人母に見送られて秋田藩へと逃れる。
医者に拾われた養安は、御典医を目指して勉学に励む。ようやく医師免許を手にした時、院内銀山の火事に遭遇。「焼死した銀山お抱え医師の代わりに」と請われ、おしかけ女房のサツ子もやってきて、期限付きで引き受ける事になる。
持ち前のパワーとユーモアで、鉱山医療に立ち向かってゆく養安夫妻。
やがて銀山は日本一の産出量を誇る「天保の盛り山」期に。町は江戸や上方からやってくる芸能で賑わい、藩からは褒美が贈られ、喜びに酔う人々。
だが、養安の心は晴れない…、酒によろけながら養安はついに……!
鉱山病のヨロケ・疱瘡、そして戊辰戦争……。家族と鉱山の人々に支えられながら、こけつまろびつ医者・養安が守り育てたものとは……。 |