家族で細々とうどんを作っている養助が大地主の娘のカメと再婚した。カメはうどん作りも家事も子育ても初めてで姑に怒られてばかり。先妻の息子も心を開いてくれない。
ところがカメの算盤のおかげで養助は家業の業績を押し上げる。勧業博覧会で褒状をもらい、海外の万博に出品、天皇家御用達にもなった。しかし外の評判が上がる一方、身近な人が食べられなくなる。秘伝の技で作るから多くは作れないのだ。
ある日宮内省から難しい注文が来る。500束を7日で納めよ。到底無理だとあきらめる養助にカメが言う。「家族を信じて」と。
力合わせて作り上げ、納品のために峠を越える時、豪雪に行く手を阻まれる。そんな絶対絶命の養助を助けてくれたのは、新しい夢だった。