ものがたり

小坂町生まれの主人公ジュンは、短大進学とともに上京したが、派遣切りに遭い29歳で帰って来る。 以前父親と大喧嘩をしていたため8年ぶりの故郷だ。

突然幼馴染のカズと再会する。 カズはジュンの父親と同じ製錬所で働いているという。 経営が苦しいはずの製錬所にやりがいがあるのかと尋ねると、大規模なリサイクル事業に生まれ変わったと知らされ驚く。

カズにすすめられ、町の祭りに参加したり海外からの研修員に笛を教えたり、久しぶりの故郷に居場所を見つけてゆくジュンだったが、パートとして働き始めた仕事の不満を口にしたとたん父親に怒鳴りつけられる。 「本気で働かない人間に、働く場所はない!」と。 ジュンの父親自身、職場で何度も壁にぶつかってきた。 特に製錬所の事業転換のときには大変な苦労をした。 しかしジュンには父の気持ちが理解できない。 母親が病気の時に見舞いにも現れず、仕事一筋だった父が許せないのだ。 父へのわだかまりを爆発させ、ジュンは家を飛び出す。

町を出ようとバスを待っていると、ジュンのおばあちゃんが追いかけてきてくれた。 引き止めるでもなく話し始めたのは、アカシアの話だった。 昔、鉱山の煙で木が枯れてしまった時、アカシアの苗を植え禿山に緑が甦った。 ジュンの父は今でもアカシアを植え続けているという。父親がアカシアに込めた想いとは、、、、。