作品解説

2009年6月4日、経済同友会東北ブロック会議が開催されました。 テーマは秋田県北部地域で進められている環境リサイクルを柱にした地域活性化。 その記念公演として、制作依頼を受け誕生したのが「未来に生きる街」です。

秋田県小坂町は、小坂鉱山によって栄えた町です。 最盛期の明治末期に鉱産額で全国一位でしたが、資源が枯渇し、輸入鉱石の価格高騰のあおりもうけて、かつて3万人だった人口は3分の1以下に減少しました。 衰退してゆく危機を乗り越えようと、現在、資源リサイクル事業を中心に、循環型のエコタウンへと生まれ変わろうとしています。

日本は、使用済みの携帯電話やIT機器に含まれる金属資源、いわゆる「都市鉱山」の埋蔵量は世界一です。 小坂製錬(DOWAグループ)は、早くからこの事実に着目し、かつて複雑鉱である黒鉱から銅を取り出してきた技術を活かして、廃棄物から金銀銅やレアメタルを取り出す製錬技術を確立しました。 有害物質も含む都会のゴミを大量に処理し価値ある金属を生み出す溶鉱炉は国内唯一、世界的にみても他にはベルギー、カナダの2箇所にしかありません。 鉱物資源の価格が高騰する現在、金属リサイクルをビジネスとして成功させた先駆的企業となり、脚光を浴びています。

「未来に生きる街」は、小坂町の再生と人間の再生を重ね合わせた物語です。 小坂町が主人公にもたらしたエネルギーは、街づくりに関わる経済界の方々にとっては一層意味深いことであり、感動の声を多く頂きました。 この公演の成功をきっかけに、「未来に生きる街」を原型にした各地・各団体版の依頼が寄せられています。