スタッフメッセージ

「強いからこそ美しい ─ 21世紀の女たちへ」

脚本・内館牧子

私は秋田市土崎港で生まれました。育ちは東京ですが、「秋田は故郷」という思いがあります。故郷のために何かできることはないかと思っていた時、『わらび座』から小野小町を書いて欲しいと言われ、驚きました。

というのも、私は晩年の小町に興味があり、いつか書く日があれば…と、以前から資料を集めていたのです。秋田で生まれた小町は、京都で亡くなったとも、秋田で亡くなったともされていますが、私は書くあてもないうちから取材を進めていました。そうであるだけに、小町を書く場を与えられたことは本当に幸せです。

「秋田美人」は小町に端を発すると言われ、その美貌は彼女にとってプラスばかりではなかったかもしれません。が、晩年の凛とした生き方は、21世紀の女たちをも憧れさせる迫力があります。強いからこそ美しい。そんな秋田の女を、『わらび座』 を通して全国に発信したい。それこそが、私が故郷と、故郷の小町に対してできることと考えています。