スタッフメッセージ

君だけの音

栗城 宏(構成・演出)

ニューヨークの高層ビルが並ぶストリートで、老人がボリビアの民謡を演奏していた。世界中のお金を動かしているような場所のかたわらで、しわだらけの指が魔法のように動いていた。モノクロの街にそこだけぬくもりがあった。地下鉄のホームでは、黒人の青年がドラムセットのかわりにバケツやフライパンをならべて即興で叩いていた。家路を急ぐ人々が見事なビートに足を止め、ひんやりとした蛍光灯の下、そこだけ笑顔があった。

世界にはいろんな国があっていろんな顔の人間がいて、文化も習慣も違うけど、間違いなく一人一人が自分を持っている。自分の生き方を持っている。そしてきっとその人にとって一番大事な音楽、スペシャルな音楽がある。自分らしさを失いかけたり、進みたい方向を見失ったり、ふと孤独を感じたり。そんな時、君の音楽が自分が自分である事を応援してくれる。君だけの音楽が、君の夢を応援してくれる。

音の言葉、ダンスの響き

紫竹 ゆうこ(音楽監督)

「夢見ることを止めたら、人生はもっと楽なのかも知れない。」

自分に自信の持てなかった10代の頃、漠然とそう考えていた。
その夢を捨てずに済んだから、私は今、自分の人生を愛おしみ「生きるって、なかなか素敵なものよ」とちょっと偉そうに、言ってみたりしている。

他人が褒めてくれなくても自分の価値は変わらない筈なのに、誰にも認めて貰えないと、やっぱり自信なんて生まれて来ない。「君が、君のままである事、それが一番素敵なんだよ」って誰かが言ってくれれば、きっと自分を好きになれる。そして、ほんの少し頑張ってみたり、背伸びしてみたりしながら、怖がらずに自分の道を創っていけるのだ。まだ夢にたどりついてなくても、夢そのものが混沌としていても・・・。

今日のステージに立つ、一人一人のミュージシャン達も、生きる事、夢見る事、自分を好きになってく事と格闘しながら、それでも「生きるってさ、、やっぱり素敵な事だよ」と言い続ける。きっと今日、君たちが初めて出会う音の言葉で、ダンスの響きで。