●わらび劇場公演04年4月〜05年1月 ●全国公演05年4月〜07年3月
















スタッフ・メッセージ

「銀河鉄道の夜」の世界へ
台本/市川森一

わたくしといふ現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です
風景やみんなといっしょに せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける因果交流電燈の ひとつの青い照明です

 宮沢賢治の詩集「春と修羅」の「序」の出だし部分ですが、私にはこの詩が描き出す光と闇の世界が、「銀河鉄道の夜」全体を包み込む気圏のように思えるんですね。この詩に浮かび上がる心象風景には、だれもが幼い日に見た幻燈写真のような懐かしさを感じます。

 同じ懐かしさを、私たちは「銀河鉄道の夜」にも感じますよね。子どもの頃の私の周りにも、ジョバンニがいました。カムパネルラもザネリもいました。彼らのひとりひとりが、いまでも因果交流電燈の青い照明として私の中に灯りつづけています。

 みなさんもどうぞ、この劇をご覧になりながら、懐かしい友だちのこと、お父さんやお母さんのこと、星になってしまった大切な人たちのことを思い出してください。

 大切な人たちを思い出す。思い出すということが銀河鉄道の乗客になるということです。さぁ、心にたくさんの「青い照明」を灯す旅に出かけましょう!



21世紀ならではの、新鮮な銀河鉄道を
演出/中村哮夫

宮沢賢治という人は、遠い所をずーっと見続けていた人だと思います。 銀河は遠い所ですし、鉄道は遠い所に行く為のものです。どうやらこの列車は、遠い死の国へ向かっているらしい。この劇の始まりはケンタウルス祭の日ですが、祭というものは一年に一回しかありません。この日が過ぎれば次まで遠い。

 人間は何かに憧れるものですが、身近なすぐ手に取れるものには憧れない。憧れるのは遠くなかなか手に入らないものでしょう。「本当の幸せ」というようなものも手近にある筈もない。あるとすればはるか遠くにある。宮澤賢治という人はそれをじーっと見守り続けていた人に違いない。その賢治の代表作をわらび座がミュージカルにするのです。

 脚本はNHK大河ドラマ(黄金の日々)などで全国の人々を感動させた市川森一氏。スタッフはあの「アテルイ」のメンバーです。透明感溢れる音楽と、力強いダンスがその憧れをくり拡げるでしょう。美しい装置や照明が幻想的な空間を現出させるでしょう。そして二十一世紀ならではの、新鮮な銀河鉄道が間もなく走り始めます。


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