2010年4月〜2013年3月 全国公演

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トキオ役 良知 真次さん
トキオ役 良知 真次さん
今、先生方のお話を聞かせていただいて、すごく稽古が楽しみになりました。 僕もいろいろと妄想をしていました。 一体どういう髪形になるのか、どういう服装になるのか、お話を頂いたときから考えて。 台本を読ませていただき、決してそのようなことはないという形になっていましたので、少し安心しました。
ミュージカル『アトム』が、僕にとって第2作品目の主演舞台になります。 本当にこの『アトム』という作品に出会えたこと、スタッフの皆さん、キャストの皆さんに出会えた事に、心から感謝しています。 『アトム』はもちろん優しい心をもち、そして愛がテーマの作品です。 芸能生活10年やってきた中で、今できる良知真次の全てをこの作品に注ぎ込みたいと思います。 これから秋田のほうで約3週間、温泉もあっておいしいビールもあって、素晴らしいところで稽古をさせていただけるのでほんとに役者、俳優としていろいろ挑戦していきたいです。 この作品に出会えたことに感謝していますし、もう一段二段三段と、十万馬力くらいアップしていきたいと思っています。 子どもから大人まで楽しめる作品だと思いますので、一人でも多くの方に観ていただきたいです。

マリア役 五十嵐 可絵さん
マリア役 五十嵐 可絵さん
私は今回のミュージカル『アトム』で初めてわらび座さんの公演に参加させていただきます。 心と愛がテーマの作品に携われることをとても光栄に思っています。 皆様から愛され、皆様を愛しピュアに生きていくマリアを演じたいと思っています。 どうぞよろしくお願いします。

神楽坂町子役 椿 千代
神楽坂町子役 椿 千代
わらび座で手恷。虫先生の作品を上演するのはこれで2回目です。 先日新宿でファイナルを迎えました『火の鳥』にも実は出させていただきまして。天道虫のかわいい精の役だったんですけれども、今回はまだ決定稿ではない台本をもらったときに、「神楽坂町子:老婆」と書いてありまして、「えっ!老婆なんだ!?」と思ったんですが、稽古の時に「老婆まで上げなくてもいいかもね」と言われ、ほっとしました。
実は私、劇団員の父がおりまして、二世なんです。 子どもの時に手恊謳カがわらび座にいらっしゃり、お会いしておりまして、レオの色紙を描いていただきました。 間近で手恊謳カに会ったことを、今でもすごく憶えています。 それからこうして手恊謳カの舞台に出させていただくのは、本当に縁だなと、とても嬉しく思っています。
上に戻る質疑応答

質問に答える横内氏
記者: 確認ですがビジュアル的には舞台には誰もが知っているアトムは出てこない?
横内氏: 出てきます。抜け殻として。製作してもらっています。 手恷。虫さんはいつかアトムも古びるぞと予言しているので。 アトムの後、おそらく新しい形のロボットというのはもっとアトムみたいな機械的なものじゃなくてもっとアンドロイド的なものではないかと考えています。 そうしないと俳優さんが演じにくい事情もあり、ずっとカクカク動くみたいな、それはやりにくいかなと思って人間の形のロボットが動いていると。 手塚眞さんもいっていましたけど、マンガだからこう描いたけど、手恷。虫がもしも映画を撮るとしたブレンドランナーの様に撮ったかもしれないと。 ストーリーの原形を抜いていくと人間とロボットが恋をするというのは、つまり抱き合う気持ちになるようなロボットが生まれている前提だと思う。 たぶん金属と抱き合ったって気持ちよくないから、なにかそういう質感があるロボットが生まれている前提でマンガを描かれている。 そこらへんを使おうと思った。
記者: 振付のポイントは?

振付のポイントを語る
ラッキィ池田氏
ラッキィ池田氏: 今踊っているのはロボットなんだよな、いや待って、人間だよな。 いや人間じゃないロボットだよな。 常に自分の中で葛藤しながら動きをつけてきまして。 結局、全部人間の踊りでいいのかな、ちょっとわざと自分がロボットだって事を自虐的にロボット的な動きで踊ったりするのかな。 どう動くとリアルな未来像が見えるのかなとか色々想像しながら、甲斐さんの曲にリードされて作ってきました。
ポイントはずばり言いますと、感情ですね。 ロボットの持つ感情を最大限、わらび座さんの伝統芸能をやってきた地に足ついた力感で表現してもらいたいなというところにポイントをおきました。 もっと言うと踊りはもうどうでもいいです。 演技ですね。 踊りから引き出されるわらび座さんの、これからやる良知さん、五十嵐さんに参加してもらう、踊りから引き出される演技力、芝居というか役者さんの本音というか、そういうのを引き出したいなと。
記者: 今回の舞台の特徴を短く表現すると?
横内氏: 青春ドラマになっています。 青春グラフィティーみたいなことをアトムで出来るかなと。 それでその青春群像が何を求めていくかというと、心の馬力。 アトムの精神が生きている。 十万馬力という素晴らしい言葉だと思います。 それは継承できたらいいなと思います。 青春のメッセージ、『アトム』という青春ドラマになるといいなと。
記者: 今回の作品は、曲と詞、どっちが先だったか?
甲斐氏: 横内さんと随分話し合って今回はメロディーが先になっています。 今まで詞が先に出来ていましたが、今回は曲が先に出来ていました。 そこに横内さんが詞を作られて、今度は詞とメロディーの整合性ということでまた話し合いをしまして、詞を手直しして、そしてメロディーを手直ししていくなどして完成しております。
記者: 横内さん、何か曲をハミングしてもらってもいいですか?
横内氏: 歌いましょうか? ♪今 気づいた 大切なこと〜 こんな感じです(笑)
記者: ありがとうございます!(会場拍手)
記者: 出演する3人に、先ほどラッキィさんから踊りはいいと出ましたが、そういうミュージカルに出演するということと、振付師の発言はどう思いましたか?


良知さん: とにかく妄想が大事かなと。 後は踊るナンバーももちろんある。 先ほどラッキィさんと話していて、まず楽しんでもらいたいと。 楽しむだけじゃダメなんですが、楽しめばそれが観客に伝わると思う。 その思いだったり感情だったり。 それがもちろん『アトム』だから心、愛がテーマだと思うので、それがより伝わるように、形だけでは踊らず気持ちから感情で踊って欲しいということなので、それをいかに自分の気持ちを豊かにして稽古場に足を運ぶかというところかと思っています。
五十嵐さん: 振りがない踊りを踊ったことが今まで一度もないので、すごく興味津々です。 もう後は、自由に私らしく、マリアらしく踊れることですね。
椿: 踊りはいいといっていましたが、決してそんなことは無く。この間も雪の秋田に来ていただいたときに、私もいくつか代役でロボットの踊りをさせていただいて、結構激しかったです。 一回踊ると、体中の酸素がなくなるような、とても激しいロックのビートが効いた感じの踊りでした。 踊りはあります。
記者: 今回お三方が関わっているということで相当なものが期待できるんですが、特にわらび座らしさというもの具体的にどんなところに入れているか?

出演者の3人
横内氏: わらび座の民舞・民謡を僕たちが秋田に行った時に歓迎でいくつか見せてくれたんですが、これにビックリしました。 アカペラで歌い踊るんですけどね。 これ素晴らしいなとおもっていていつか使えないかなと。 でも『アトム』の中でそんな風に行かないよなと思っていたら、ロボットが反乱するシーンですが、こんな感じって、巨匠に対してすごく失礼なんですが、ハードロックって勝手に書きとばしていました。 甲斐先生は、ハードロックはわらび座らしくないだろうと言われていました。 そしたらすごい重低音な感じの地に足がついた百姓一揆の踊りのような感じのものが出来あがって。 ロボットのダンスなんですよ。
これは!と思って、ラッキィさんが初めてわらび座に行ったとき、「ぜひ民舞やってください」とわらび座スタッフにお願いしたんですよね。 約20、30分やってもらって、これはあそこに使いましょうよと。 たぶん何にも知らずに見た方は、なんか不思議な音楽と不思議な踊りだと思うけど、これはわらび座にしかできないシーンになっています。
甲斐先生と細かく打ち合わせしたわけでもなく、それは甲斐さんがわらび座のいいところ、持っているパワーをご存知だし、そこらへんのところを演出するのが今から楽しみですね。 もちろんこの中に新しくお二人が入っていただくんですけども、まずは秋田に行ったら必ずわらび座の民舞を見てもらう。 この匂いを嗅ぎ取ってもらいたいなと。 でもわらび座的にもそういうものをどう現代に継承していくのがテーマなので、こういう作品でそれができるというのは面白いなという風に思いました。
記者: 良知さん、『アトム』の作品をもともとどういうイメージを持っていたか? 今度の役についてどうやって取り組んでいきたいか?
良知さん: イメージはやっぱり皆さんと同じようなイメージで、最初にお話を頂いたときはビックリしました。 僕の家族や友人に、「ついに2作目の主演が決まった」と連絡しまして、『アトム』だと言ったら、皆見たことのない表情をしたんです。 なにが起るのか?どういう話なのか?僕もそうでしたけど、これから劇場にくるお客様もそうだと思います。 先生方のお話を聞いていて、その期待を絶対に裏切らない作品だと、今日とても感じたので、アトムの想いを皆様に伝えたいと思います。

ミュージカルナンバー「I LOVE YOU」を
披露する五十嵐さん、椿

集合写真