新潟中越地震被災地への激励公演報告
「きらきら風の旅冒険」チームより

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2月8日 見附市公演

(田郷 真友 = 良介役)
 「地震で被災した子どもたちに舞台を楽しんでもらう」というはっきりした目的がある今回の公演。私達もいつもとは違う緊張感で会場に入りました。しかし、教育委員会の方の「来てくれてありがとう」というお言葉と、その素敵な笑顔のおかげで、私たちの緊張もフッと和らぐことができました。
 今回の公演は、市内の7つの小学校から主に高学年が、4つの中学校から1年生が見に来てくれました。高学年、しかも半分は中学生‥‥。もうほとんどみんな大人です。最後までみんな集中して見てくれるか正直に言うと不安でした。でも私語もなく、稲の場面もみんな参加し、そして何より「集中している」という気迫のようなものも感じました。
 とても暖かい拍手で私たちは舞台を終えることができました。最後に5年生の女の子がお礼の言葉を言ってくれました。「私たちの学校は地震で文化祭が中止になったり、余震の時ベランダに避難したりしたこともありましたが、今日のミュージカルを見て、命を支えること、友達を支えることの大切さを知りました。」
 私達の舞台が彼らが体験した恐怖を少しでも和らげ、家庭での話のタネになってくれたら、それで笑顔になってくれるのなら、こんなに嬉しいことはありません。 さあ、あと3ヶ所。どんなステージになるのでしょうか!?


新潟日報(2月10日付)に「きらきら」見附市公演が掲載

被災地に元気"草の根"支援
創作劇で心ほんわか 「少年の友情」小中学生魅了
 中越地震で被害に遭った子どもたちに元気と夢を届けたいと、秋田県に拠点を置く劇団「わらび座」が被災地を巡回公演している。皮切りとなった見附市文化ホールでは8日、市内の小中学生約830人が鑑賞、舞台を楽しんだ。
 同劇団は日本の文化をベースに自然と人間、現代と伝統の共生を目指しミュージカルなど多彩な舞台を創作、世界的に活躍している。
 今回のミュージカルのタイトルは『きらきら風の旅冒険』。三重県熊野古道の世界遺産登録を機に、同県がわらび座に創作を委託した。自然と共生してきた熊野地域の自然や文化、人々が素材となっている。
 二人の少年の友情や冒険がテンポよく、時にコミカルに演じられている舞台に子どもたちは引きつけられていた。上演後、小中学生を代表して見附小五年生の高木彩花さんが「心温まるミュージカルをありがとう。家族の大切さなどを学ばせてもらいました」と、感謝を述べました。
 公演は11日まで長岡市、魚沼市、小千谷市を巡回する。


2月9日 長岡市宮内小学校

(塩沢 淳 = 音響)
 新潟公演二日目。長岡市宮内小学校体育館にて、宮内小学校3年生以上と宮内中学校1年生の計700人弱の公演をしました。
 体育館に横付けできないほどの雪が周りに積まれていて、体育館が雪に埋もれているすごい状態でした。(新潟は毎日のようにTVで放送されている通り、道路のわきなどには驚くほどに積もっている雪の山だらけです。あの光景にはちょっと恐ろしさを感じています。)
 搬入口は職員玄関からになり、到着するなり担当の前田教頭先生が出迎えてくださいました。うれしいことに玄関先の掲示板に歓迎のメッセージが書かれていました。ほんとうにうれしかったです。(搬出の時にも、メッセージ内容が変わっていて大変ありがたいお言葉を頂きました。)



 今日の公演でこれだけは伝えておきたいことがあります。それは今回、新潟を移動してきたときから自分では地震の影響は残っていないかなとあちこち外をみわたすようにしていました。が、復興もかなり進んでいるみたいで見た目では全然わかりません。 しかし今回の公演場所の宮内小学校体育館は、学校の体育館としてはかなり大きい体育館で、教頭先生の話だと避難場所だったそうです。その証拠に舞台上手楽屋中に避難物資(食料、毛布、車椅子など)が置かれていました。その光景を見たときには、なんともいえない気持ちになってしまいました。すごく心が痛かったです。ほんとまたいつくるかわからない地震の恐怖と闘っているみなさんはすごいなって思いました。それに体育館の壁に各地区ごとのプレートが貼られてありました。避難場所が振り分けられているようでした。地震の対策が今なおされているのが認識させられた一日でした。
 自分なりに今日の公演で考えさせられました。公演が終わった後の生徒、先生達の笑顔がほんとたまらなく忘れられない公演でした。


2月10日 小出小学校

(角田 紀子 = 鉄平役)
 「子ども達に話しましたら『バンザイ!』の声が」。極寒の体育館の中で、荷下し荷上げを一緒にやって下さった校長先生の顔合わせでのご挨拶。
 今日は小出の小学校公演。3メートル近く積もる雪の中、教育委員会の方々、学校の先生達、朝から汗をかきながら荷下しをして下さいました。体育館は町で一番古い体育館。新しく建てた中学校の体育館は震災で壊れ使えないそうで、小学校のこの古い体育館で「きらきら風の旅冒険」を子ども達に観てもらいました。
 教育委員会の方や先生たちはわらび座が公演することで仕事が増えるはずなのに嫌な顔ひとつせず「お待ちしておりました」と。力いっぱいもらいました。
 仕込みの体育館のドアの隙間からは子ども達の目、目、目。「うわぁ、ミュージカルの人たちだ。」「なんかすげぇーぞ」「用意してるよ」。騒がしいのなんの。

 本番、「みなさーん、こんにちは!」の陰マイクに、ものすごい大きな「こんにちは!!」の返事。「お手伝いしてくれるかなあー」の声に「いいよー!!」。
 幕が開くと、もう子ども達はヤンヤ、ヤンヤ。何にでも笑い拍手し、寒い寒い体育館の中で最後まで大さわぎで観てくれました。

 町はどこを通っても雪、雪、雪。雪の中に家が埋もれている。体育館には町のブロックごとの表示が。地震の時、避難した時のブロック分けなんだろう。まだ新しいその手書きの表示が体育館の壁一面にズラーッと並ぶ。
 本当にここで地震があったんだぁー。本当に来させてもらえてよかったと思います。

 明日は小千谷公演です。いつもどおり、気ばってやります。


2月11日 小千谷市公演

(尾樽部 和大 = カラス天狗役)
 ここが毎日、毎晩テレビで放送される被災地・新潟県。群馬県から新潟に入った途端、見上げんばかりの雪の壁。様々なニュースを見聞きする度に、今の自分に何か出来ることはないのか!?と思っていました。そこに飛び込んできたこの『きらきら本公演』のお話。今までの人生の中で、このように直接被災地に行って何かしてくるといった経験が無かった僕は、この公演が決まったと聞いた時、「今の自分にでも出来ることがあったんだ!」と、胸の奥底が異様に高揚したのを今でも憶えています。(初日に長岡入りした時の話ですが、町のあちこちに【頑張ろう!長岡!!】という幕が張られ、ひたすらに雪かきを頑張る人、元気に対応してくれたコンビニの店員さん等、いまある逆境に負けず、頑張って生きている人たちを目の当たりにし、胸が熱くなり、何故か目に涙がたまっていました。こんな何とも言い難い気持ちになったのは初めてでした。
 様々な思いを胸に抱き、いよいよ新潟公演楽日の小千谷市公演の日を迎えました。

 今日の会場となった小千谷市民会館も、中越地震の被害を直に受けたところで、サスに吊ってある照明器具がほとんど壊れてしまっていたのですが、今日の公演のため、会場の方が急ピッチで新しい器具を取り付けて下さったと聞きました。
 また、すぐ隣りにある小学校の体育館には、今もなお自宅に帰れず避難生活を余儀なくされている方たちが多数いらっしゃるということも聞き、改めて今日ここで公演をする意義を深く考えさせられました。
 今日は新潟に入って初の一般公演でした。約300人程のお客さんで会場は埋り、僕たち役者自身もとてもいい緊張の中で公演を行うことができました。  鉄平の、「親友が命綱引っ張ってくれてんだから、崖から落っこちるわけねーだろ!」というセリフを、3〜4才ぐらいの子どもが客席から同じセリフを連呼。そして客席のあちこちから「そうだ、そうだ!!」の声‥‥。1年間この舞台をやってきたのですが、こんな反応は初めてでした。この他にも、舞台中あちこちでの拍手、笑い、涙をすする音と本当に客席とひとつになり、その場にいた人全員と呼吸のあった舞台をすることができたと思います。
 ロビーに見送りに出た時にも、今までにないほどの反応がありました。目が涙であふれ、言葉にならない声で「ありがとう‥‥ありがとう‥‥」とずっと手を握っていてくれていたおばあちゃん。2回も3回も列に並び、握手をしてくれた幼稚園児ぐらいのお子さん。満面の笑顔でずぅ〜っっっと手を振ってくれたお母さん。「これからまた頑張ろうと思えました!!」と涙まじりで、でもサイッコウの笑顔で握手してくれたお父さん。僕は知らず知らずのうちに、握手をしながら涙をこらえているのに必死になっていました。

 今回のこの新潟公演、僕たちが元気を波及させるはずが、僕たち自身、お客さんからもらえるものが多く、人間の真の強さ、あたたかさを体全体で感じることができました。 諦めたらそこで試合終了‥‥。決して諦めないその気持ちの強さ! 僕はこの4日間で、役者として、また一人の人間としてこれからどうあるべきかを新潟の人たちより教えられ、学べたような気がしました。
 この新潟公演に多大なるご支援を頂いた方々に感謝し、報告に代えさせて頂きたいと思います。本当に貴重な体験をありがとうございました


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