●全国公演 04年4月〜07年3月



















スタッフ・メッセージ---作者のことば---

いのちがいのちを支える輝きを― 

脚本・演出 梶賀千鶴子

 この作品はたった5人の出演者で物語が展開していきます。なかでも鉄平と良介という二人の少年の友情、さまざまな冒険、経験を通して、良介のこころがひらいていく様子を描いています。たった5人ですから人間が風景や精霊として登場してもらう場面もあります。それは、単に演出方法というよりも「いままでやさしくしてくれたり、試練を与えてはげましてくれていたのは、身近なひとたちや身近な自然だったんだ」と、こどもたちにわかって欲しいなという、作者と役者たちが一体となった強い願いの表現でもあります。
 精霊のベールがはがれ、現実となったとき、母親やおじいちゃんのやさしさがどれだけ大きなものなのか、お米の一粒、先人たちの努力の賜物を粗末にしたことから出現した、カラス天狗の戒めから「食べ物を本当においしいと感じられる幸せ」をこどもたちに感じて欲しい、また、食物連鎖の頂点にあるという、イヌワシのひなと少年たちの関わりから、こどもたちに、いのちの大切さやすごさ「家族って何だろう」と考える機会になってくれることを願っています。
 このミュージカルをつくるにあたって、実際に取材をかねて歩いてみた熊野古道。神秘性のあるその地で感じたことを、できるだけ脚本や演出に反映させたつもりです。一方で現代のこどもたちをとりまく環境にあわせ、テンポ感のある展開にも気を配りました。雄大な自然、精霊とともに心を開いていく、良介のこころは、現代(いま)のわたしたちのこころであり、本当は街の雑踏の中でも感じられることなのでしょうが、現代人は感性が鈍くなっていて感じられない。そんな普段忘れているようなことがらや感覚を客席のみなさんにちょっと思い出していただければ幸いです。


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